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大阪市西部エリアで地域医療を担う
多根総合病院|社会医療法人きつこう会

院長のご挨拶

多根総合病院院長からのご挨拶

このたび、令和5年4月1日付で多根総合病院の病院長に就任をしました、小川稔と申します。
私は医師になって約30年、市中病院の一外科医として急性期医療の最前線で過ごしてきました。 多根総合病院には2008年からいますので、医師人生の半分を当院で過ごしたことになります。
実は、この30年の間に1年半ほど、南極昭和基地の医療隊員として医師の通常業務を離れていた時期があります。 この期間は世界から完全に孤立した空間で俯瞰的に世界を眺めつつ、環境問題の最前線に身を置くという私にとって貴重な時間でした。

今世の中は、政治や経済の混乱など民主主義の危機が指摘されており、またSDGsや働き方改革など新たな秩序が求められる時代に突入しています。 南極で身につけた哲学的な視点はこうした時代を乗り切る上で必ず役に立つものと思っています。

多根総合病院 院長 小川稔
多根総合病院 院長 小川稔

いまさら言うまでもないことですが、社会保障費の財政に占める割合が上がりつづけ、私たちが当たり前のように思っている「すべての国民が一定の負担で必要な医療サービスを受けられる」というシステムの継続性も危惧されています。 それは、現在の日本の医療システムが過去の力強い経済成長と人口増加(特に若い世代)の産物であるからです。(そしてそれはもはや過去のものと考えられています)
社会保障制度を破たんさせずに次世代に引き継いでいくためにも、医療の効率化が進められており、例えば地域医療構想の様に地域の患者様のニーズに対して、それぞれの医療機関が「自らの果たすべき機能」を明確にして医療の需要と供給を限りなくマッチさせていく方向に政策が進んでいます。
そうした中で、多根総合病院は「地域の中で最良の急性期病院になる」という方向性を改めて明確にしていきたいと考えています。
「最良」の意味は、地域の患者様のためはもちろんのこと、地域の他の医療機関と機能を分けつつも協同して、さらに職員の生活も守りつつという概念を含みます。 それによって継続的に地域に貢献できれば良いと考えています。

本来は格式の高いはずの寺社仏閣も、大阪人にかかると「天神さん」「えべっさん」のように親しみをこめて呼ばれることがあります。 それらの寺社仏閣はいつも変わることなく町の真ん中に屹立し、人々を迎え入れ、願いに耳を傾けるからこそそう呼んでもらえるようになるのだろうと思います。
これからも変わらず「こんな時は、多根さんに行こう」と思っていただける病院作りをしていく所存です。

多根総合病院 院長 小川 稔(おがわ みのる)


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