
外科・消化器外科
外科の理念・方針
地域の外科中核病院として、急性腹症などの救急診療、がん診療を中心に責任ある高度な診療にあたります。まず急性期病院として周辺地域の救急疾患に対しては365日24時間休みなく受け入れる体制を確立し、迅速な採血検査やCTなどの画像診断を駆使し十分な医療を提供いたします。
また大阪府がん拠点病院としてガイドラインに従った高度のがん診療に従事しています。新病院では放射線治療センター、緩和医療センターを併設し、さらに患者さま中心の医療を展開していきたいと考えています。専門外来は日帰り手術、肛門疾患、下肢静脈瘤、乳腺甲状腺、気胸、PEG、エコー下手術など幅広く、積極的に対応しています。
患者さま一人一人に笑顔を取り戻せるように高度な医療を提供すべく、スタッフ一同絶え間ない向上心を持ち、一致団結したチーム医療を実行していく所存です。
がん治療(がんちりょう)
大阪府がん拠点病院としてガイドラインに従った高度のがん診療に従事しています。新病院では放射線治療センターや緩和ケア病棟も併設され、診断から手術、化学療法、放射線治療から緩和ケアまで当院でがん治療の全てが完結できる体制が整いました。
急性期医療
当院は二次救急指定病院として大阪市西部の救急医療を担っております。外科では、急性腹症、例えば消化管穿孔、虫垂炎、腸閉塞、胸部疾患では気胸などの救急疾患の治療にあたっております。新病院では急性腹症科を新設し、さらに広域の腹部救急疾患に対応しています。
低侵襲手術
日帰り手術
胆石症、ヘルニア(そけいヘルニア)、痔などの肛門疾患、下肢静脈瘤などは、全国的にも有数の症例数を誇る日帰り手術センターを中心に施行しており、特にヘルニア症例はKugel法(クーゲル法)を第一選択とし、2021年も578例と多数の件数を施行しています。

学術発表・講演
最新の医学知識をとりいれ、質の高い、安全な医療を提供するため、多数の学会発表、論文発表、学術講演をおこなっております。
当科は医療の質向上を目的とし【NCDデータベース】に参加しています。
詳しくはNCDのホームページをご覧ください。

外科の外来担当表
受付時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
一般 外科 |
午前 09:00~11:30 |
小川 稔 今中 孝 |
小川 淳宏 廣岡 紀文 |
小川 淳宏 森 琢児 實近 侑亮 小川 嘉誉 |
廣岡 紀文 細田 洋平 福田 雄介 |
小川 稔 大竹弘泰 |
担当医 |
午後 13:00~15:00 |
森 琢児 小澤 慎太郎 |
- | 加藤 弘記 |
- | - | - | |
大腸 | 午前 09:00~11:30 |
小川 稔 |
小川 淳宏 |
小川 淳宏 |
- | 小川 稔 |
- |
胃食道 乳腺 |
午前 09:00~11:30 |
- | - | 森 琢児 | - | - | - |
午後 13:00~15:00 |
森 琢児 | - | - | - | - | - | |
胆肝膵外科 | 午前 09:00~11:30 |
- | - | ー | 細田 洋平 | - | - |
- 青字は専門診療科目、赤字は再診予約の方のみとなっております。
- 赤マスの日は休診日です。
- 全診療科で予約診療制度を導入しています。
- 初診・再診に関わらず、予約センターにて診療予約が可能です。
(予約センター直通電話番号:06-6585-2729) - 都合により、休診または代診となる場合がございます。ご了承ください。
専門外来情報
日帰り手術 | 日帰り手術センターの情報をご確認ください。 |
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肛門疾患 | 小川 淳宏 ・ 小川 稔 |
下肢静脈瘤 | 山口 |
乳腺甲状腺 | 丹羽・西・森 |
気胸 | 小川 淳宏 |
大腸 | 小川 淳宏 ・ 小川 稔 |
胃・食道 | 森 |
ペインクリニック | 河合 |
外科の医師・スタッフ
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外科の専門チーム
3D内視鏡を導入しました
腹腔鏡手術は小さな傷で手術ができる最先端の技術ですが、欠点がありました。
それはモニターを見ながら手術を行なうため立体感がわかりにくいということでした。
当院では2014年3月よりオリンパス製の3D内視鏡システムを導入し、大腸がんの腹腔鏡下手術を行っております。 従来の2Dの腹腔鏡では把握しにくかった、対象臓器の奥行が得られ、手術操作がより正確に行えるようになりました。 この画像は実際の手術風景ですが、医師も看護師も3D眼鏡を装着して手術を行っています。


上部消化管外科(森琢児)
食道がん、胃がんに対して、基本的には胃癌学会、食道学会のガイドラインに沿った標準治療を行ないます。 当科の特徴としては消化器外科医と消化器内科医がチームを組み患者さんにとってガイドラインに反映されない患者さんの状態までを考慮して最も適切な治療法を選択しています。
消化器内科と消化器外科と分かれていると内科と外科との境界領域では、最初に担当した科が外科であるか内科であるかによって治療方針が変わってくることもありますが、 当院では外科内科が一体となっているため常に本当の最善の治療を選択しています。 食道がんについても内視鏡治療を行なっています。 最近では高度な技術を要する内視鏡的粘膜下層切開・剥離術内視鏡下(ESD)も導入しています。
内視鏡治療の対象にならない症例については胸腔鏡下補助下にて食道切除術をおこなっております。 また早期食道がん、また呼吸状態の悪い方には完全鏡視下食道切除も行っております。 また進行食道がんに対しては化学療法を先に行いその上で手術を行っております。 手術の適応にならない方、手術を希望されない方、また手術への耐術能に問題がある方には放射線化学療法を選択しています。
平成23年新病院に移転後は、最先端の放射線治療を多根病院で受けることが可能になっております。 胃がんについても積極的に内視鏡治療を行なっています。 内視鏡的粘膜下層切開・剥離術内視鏡下(ESD)も導入し、従来は内視鏡治療が困難であった広範囲の粘膜に対しても一括切除が可能となっています。 詳しくは消化器内科をご覧ください。
内視鏡治療から外れる症例については患者さまの負担の少ない腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)、腹腔鏡下胃全摘術(LATG)を積極的に行っております。 これらは国内だけでなく海外にも情報発信を行い常に患者さまの視線に立った最先端の治療を行うことを目指しています。 もちろん胃がんで標準治療である開腹下胃切除術も施行しています。 また化学療法も当科担当医が責任をもって行っております。
平成24年は胃がん症例は51例でした。 また緊急で救急搬送された胃潰瘍穿孔、十二指腸潰瘍穿孔、胃がん穿孔などの緊急の上部消化管症例に対しても腹腔鏡下にて手術を行い良好な結果を得ております。
腹腔鏡下幽門側胃切除術
当院では、腹腔鏡下胃がん手術を導入しています。これまでの開腹手術と比較すると、手術時間は要するものの、手術の後の回復も早く患者さんへの負担の少ない手術です。 胃がんでは、胃がん学会ガイドラインの臨床研究(表1)に位置付けられる範囲を適応としています。

大腸外科 (小川淳宏、小川稔)
「当院では大腸がん手術にいち早く腹腔鏡下手術をとりいれ、現在では標準術式としています。大腸がん穿孔などによる緊急手術を除いた待機手術での腹腔鏡下手術の割合は約90%まで増加しています。また、大腸がんによる腸閉塞の患者さんには内視鏡的に大腸ステントを留置することにより、待機的に腹腔鏡下手術を行っています。 大腸グループのチーフである小川淳宏は日本大腸肛門病学会専門医・指導医でこれまでに700例以上の腹腔鏡下大腸癌手術を行っています。
腹腔鏡下手術では臍の部分を切開するので傷はほとんどわからなくなります。
術後の回復も早く、早期に職場や家庭に復帰できます。また、直腸がんの手術においてはできるだけ肛門を温存する術式を取り入れています。
肛門に非常に近いがんにおいても人工肛門を回避することが可能になっています。
また、当院は併設する放射線治療センターと連携して手術の補助治療として放射線治療も行えます。
また、外来化学療法センターでは、FOLFOX,FOLFILI、XELOX,IRISなどにベバシズマブ、パニツムマブ、 セツキシマブなどの分子標的薬を加えた最新のエビデンスを取り入れた化学療法を安全に行なっており、良好な治療成績を上げています。」
大腸がん手術症例数(2009~2021)
肝胆膵
胆道がん、膵臓がんは、現在でも唯一の根治的な治療法は手術です。
当科では消化器外科手術のなかでも最も難易度が高いとされる膵頭十二指腸切除術を代表とする胆道・膵臓手術を、胆膵手術チームを編成することにより 根治度の高いかつ合併症の少ない手術を目指しています。
肝細胞がんに対しては、症例に応じて、肝切除術、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈化学塞栓術(TACE)を使い分け、多角的治療戦略を行なっています。
胆嚢結石症に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術は年間約200例を施行しており、定期手術としての日帰り手術症例数は日本有数の経験数を誇ります。
また、急性腹症にも挙げられる重症急性胆嚢炎にはガイドラインの準じた治療を施行しており、難易度が高い緊急手術が必要な症例でも積極的に腹腔鏡下手術を施行しています。
急性腹症(きゅうせいふくしょう)
大阪市西区、港区の基幹病院として此花区、大正区、中央区、福島区まで広い地域の救急医療を担っています。
当院では、腹部外科の専門医が365日24時間当直をしており、夜間、休日の緊急手術であっても腹腔鏡下手術などのハイレベルな手術を行なえる貴重な病院です。
虫垂炎はもちろんのこと、消化管穿孔や腹膜炎に対しても緊急手術は基本的に腹腔鏡下に行なっています。
急性腹症について詳しく。

肺 (小川淳宏、廣岡紀文)
自然気胸に対する胸腔鏡下手術を多数行なっています。
特に結紮術を積極的に取り入れることにより、早期退院が可能となり、日帰り手術も可能となっています。
また、気胸手術後の再発率は3%と全国でもトップクラスです。転移性肺がんに対する、胸腔鏡下切除術も積極的に行なっています。
そけいヘルニア(丹羽英記、上村佳央、小川稔)
そけいヘルニアの手術治療にいち早くクーゲル法を導入し、日帰り手術の症例数も関西では最多を誇ります。
大阪府以外からも多数の患者さまが手術を希望してこられます。
※下の図は、2009年度のソケイヘルニア日帰り手術の診療圏を示すものです。

外科手術件数(2021年)
外科手術1721件
食道 | 8件 食道がん(接合部がん扁平上皮がん含む)(4件) 頚部食道切除(0件) 胸部食道切除(4件) その他(0件) 食道その他(0件) |
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胃・十二指腸 ※十二指腸乳頭部がんは 胆道がんへ |
55件 胃がん(40件) 胃全摘(18件) 開腹(17件) 腹腔鏡(1件) 幽門側胃切除(PPG、分節切除含む)(16件) 開腹(10件) 腹腔鏡(6件) その他胃がん手術(バイパス/審査腹腔鏡など、開腹/腹腔鏡を問わず)(6件) 胃・十二指腸GIST(開腹/腹腔鏡を問わず)(7件) 胃・十二指腸粘膜下腫瘍(GIST以外、開腹/腹腔鏡を問わず)(1件) 胃・十二指腸その他(潰瘍/病的肥満/胃瘻など、開腹/腹腔鏡を問わず)(7件) |
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小腸・大腸・肛門 | 453件 結腸がん(88件) 切除術(80件) 開腹(12件) 腹腔鏡(RPSを除く)(67件) その他(1件) 非切除(人工肛門造設・閉鎖、バイパスなど)(8件) 直腸がん(肛門がん含む)(59件) 切除術(肛門温存)(37件) 開腹(4件) 腹腔鏡(RPSを除く)(30件) その他(3件) 切断術(肛門非温存)(2件) 開腹(0件) 腹腔鏡(RPSを除く)(2件) 非切除(人工肛門造設・閉鎖、バイパスなど)(20件) 大腸GIST(開腹/腹腔鏡を問わず)(0件) 大腸粘膜下腫瘍(GIST以外、開腹/腹腔鏡を問わず)(0件) 小腸がん(開腹/腹腔鏡を問わず)(1件) 小腸GIST(開腹/腹腔鏡を問わず)(1件) 虫垂炎(開腹/腹腔鏡を問わず)(122件) 開腹(0件) 腹腔鏡(単孔式、RPSを含む)(122件) イレウス(開腹/腹腔鏡を問わず)(69件) クローン病(開腹/腹腔鏡を問わず)(1件) 痔核(73件) 痔瘻(3件) 結腸その他(開腹/腹腔鏡を問わず)(23件) 直腸その他(開腹/腹腔鏡を問わず)(9件) 肛門その他(開腹/腹腔鏡を問わず)(2件) 小腸その他(開腹/腹腔鏡を問わず)(2件) |
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肝・胆・膵 | 312件 肝細胞がん(2件) 肝葉切除/肝三区域切除(1件) 開腹(1件) 腹腔鏡(0件) 肝亜区域切除(1件) 開腹(1件) 腹腔鏡(0件) 胆管細胞がん(2件) 肝葉切除/肝三区域切除(2件) 開腹(2件) 腹腔鏡(0件) 転移性肝がん(7件) 肝区域切除(2件) 開腹(2件) 腹腔鏡(0件) 肝部分切除(5件) 開腹(2件) 腹腔鏡(3件) 非切除(バイパス/審査腹腔鏡など)(0件) 胆囊がん(2件) 胆摘(2件) 開腹(0件) 腹腔鏡(2件) 十二指腸乳頭部がん(2件) 膵頭十二指腸切除(2件) 開腹(2件) 腹腔鏡(0件) 膵管がん(1件) 膵頭十二指腸切除(1件) 開腹(1件) 腹腔鏡(0件) 非切除(バイパス/審査腹腔鏡など)(0件) 胆石症・胆嚢炎・胆嚢ポリープなど(287件) 開腹胆石症手術(2件) 腹腔鏡下胆石症手術(単孔式、RPSを含む)(285件) 総胆管結石症(0件) 肝胆膵その他(9件) |
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ヘルニア (鼠径ヘルニア、 大腿ヘルニアなど) |
578件 開腹ヘルニア根治術(574件) 腹腔鏡下ヘルニア根治術(4件) |
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腹膜炎・その他 | 105件 |