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多根総合病院|社会医療法人きつこう会

内視鏡的逆流防止粘膜切除術(ARMS)

逆流性食道炎に対する”内視鏡的逆流防止粘膜切除術(ARMS)”を実施しています

多根総合病院では、患者さんの健康と質の高い医療サービス提供に向けて常に最先端の治療法の導入に努めております。このたび、消化器内科は逆流性食道炎患者さんに対する内視鏡的逆流防止粘膜切除術(ARMS: アームズ)を新たに導入いたしました(保険診療)。特に、ARMSの一種である内視鏡的逆流防止粘膜形成術(ARMP:アームピー)を取り入れることで、より迅速な効果と偶発症のリスク低減を目指しています。

内視鏡的逆流防止粘膜切除術(ARMS)とはどんな治療?

ARMSは、胃カメラを利用して、食道と胃の接合部(EGJ)にある粘膜の一部を取り除き、その後に粘膜を再形成することで、胃液の逆流の原因となっている食道胃接合部(EGJ)の緩さを改善し逆流を防ぐ手法です。この処置は内視鏡だけで完結するため、開腹手術や鏡視下手術と違い体表に傷を作りません。また鎮静剤投与下で行うため治療中は熟睡しており苦痛はありません。
当院では、病状と患者さんのご希望に合わせて1泊2日〜3泊4日程度の入院でARMS/ARMP治療を行っております。

図1

内視鏡画像

(a, b)ARMP前の胃カメラでは、食道裂孔ヘルニアを認め食道胃接合部(EGJ)が緩んでいる
(c)EGJの粘膜を内視鏡的に切除し半円〜2/3周の潰瘍を形成する
(d)潰瘍を医療用のナイロン糸とクリップを用いてROLMというテクニックで内視鏡的に縫縮する
(e)ARMP2ヶ月後の胃カメラでは、潰瘍は治癒・瘢痕収縮しており、EGJの緩みが改善している

手術との比較

手術との比較

従来のGERDに対する非薬物治療は、腹腔鏡下Nissen手術というものがあります。従来医学的には、逆流性食道炎の患者さんはPPI/PCABでコントロール可能な方とNissen手術が必要な方に二分されていました。しかしARMSの登場によりNissen手術が必要な方々のうちの多くは、このARMSという低侵襲内視鏡治療で治療可能です。ARMSが良いと考えられる患者さんを見極めて行うことで、ARMSは効果の面でNissen手術と同等であり短期的・長期的に逆流症状の改善・生活の質(QOL)向上に繋がります。さらに、内視鏡による低侵襲治療であるため、手術と比較し以下のようなメリットがあります。

  • 体表に傷を一切作ることなく治療が可能
  • 治療時間が短い
  • 入院期間が短い
  • 治療後の痛みがほとんどない
  • 日常生活や仕事への復帰が早い

参考文献:
1)Surg Endosc. 2021 Dec;35(12):7174-718
2)Surg Endosc. 2023 May;37(5):3944-3951

ARMS(ARMP)が適応となる患者さん

この革新的な内視鏡治療は、特に以下のようなGERD(胃食道逆流症)/逆流性食道炎の患者さんに推奨されます。

※1 PPI・・・エソメプラゾール(ネキシウム)、ランソプラゾール(タケプロン)、ラベプラゾール(パリエット)など
※2 PCAB・・・ボノプラザン(タケキャブ)

日々の生活で症状や内服継続という苦痛を常に伴うGERDの患者さんにとって、ARMPは新たな希望をもたらします。当院の専門医が一人ひとりの患者さんの状態を丁寧に評価し、最適な治療法をご提案いたします。

スコア変化グラフ

GERD-HRQLは、GERDの症状が日常生活にどの程度影響を与えているかを評価するスコアです。胸やけや呑酸(酸の逆流)、食事や睡眠への影響などを質問し、症状の重さや生活の質の低下を数値化します。

当院でARMPを行ったGERD患者さん達の治療前後でのGERD-HRQLの平均値の比較です。数値は1/3以下に低下しており高い効果が得られていることがわかります。

ARMS(ARMP)の診療の流れ

ARMS(ARMP)を受けるまでの通常の流れを簡単にご説明いたします。

実際に、以前遠方から来られた患者さんに対して以下のスケジュールで実施した例があります。

  • 月曜日:入院し24時間インピーダンス&pHモニタリング検査
  • 水曜日:検査結果説明(ARMS適応がない場合はこの時点で退院)
  • 木曜日:ARMS施行
  • 土曜日:退院(合計6日間)

ARMSについてよくある質問

ARMS(ARMP)のよくあるご質問についてまとめました。

Q. 診察を受ける際は、予約と紹介状が必要でしょうか?
A.予約されていなくても受付時間内であれば診察は受けられます。

ご予約をお勧めいたします。紹介元医療機関から予約していただくか、予約センター(TEL:06-6585-2729)へ直接お電話ください。
水曜日の午後に専門外来(消化器内科:淺井Dr./橋本Dr.)を行っています。
紹介状無しでも診察は出来ますが、ご持参いただくと選定療養費(7,700円)が不要となります。可能であればお持ちになることをお勧めいたします。
Q.初診の前に検査など必要でしょうか?
(市の検診を利用して、内視鏡検査を受けようかと考えています)
A.初診前の検査は必要ありません。

胃カメラは必ず行いますが、ARMSを視野に入れた専門的な評価をし、同時に食道や胃に病気がないかもチェックいたします。
市の検診の胃カメラ検査ではARMS前の評価としては不十分となってしまいます。
Q.他の医療機関で受けた検査の画像データなどを持参したほうがよいでしょうか?
A.必要というわけではありませんが、あればご持参ください。

胃カメラやCT(できればCD-ROM等のデータ)・血液検査など、情報は多いほど参考になりますので、お持ちいただければ幸いです。診療に活用いたします。
Q.ARMS治療を受ける場合、おおよその入院期間はどの程度でしょうか?
A.最短で1泊2日です。

最短で1泊2日ですが、最も多いのは2泊3日、経過を慎重に観察するために4泊5日をご希望される方もおられます。
Q.検査入院とありましたが必ず受けないといけないでしょうか?
A.検査入院は必要です。

24時間pHモニタリング検査は診断と治療適応の判断に必須ですので、余程の事情がない限り省略できません。
何らかの事情で受けられないとお考えの方は、外来でご相談ください。
Q.ARMS治療入院(2泊3日)にかかる費用は概算でどれくらいでしょうか?
A.自己負担額(3割負担)は約10万円となります。

  • ※1 高額療養費制度の適用により、年収370〜770万円の方は負担の上限が約8万円、年収370万円未満の方は約6万円となります。そのため、後日、差額分が払い戻されます。
  • ※2 費用は概算であり、入院期間・検査内容・ご年齢などにより変動いたします。

ARMSに関する最新情報

当院の消化器内科がARMSの治療や研究のために行っている活動を紹介します。

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