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大阪市西部エリアで地域医療を担う
多根総合病院|社会医療法人きつこう会

新体制、小川稔新院長と後藤円新事務長の対談

小川稔新院長と後藤円新事務長の対談

2023年4月からの新体制、新院長と新事務長にこれからの多根総合病院について聞きました。

小川院長、後藤事務長のこれまで

[小川稔院長](以下:小川) 私は医師免許取得後、外科医として大阪大学医学部附属病院の第二外科に入局し、市立豊中病院、近畿大学奈良病院といった患者数の多い市中病院に勤めてきました。
2006(平成18)年から1年半近くは日本を離れ、南極観測隊の医療隊員を務めた経験もあります。
宇宙戦艦ヤマトやスタートレックのような物語では、さまざまな役割を担う乗組員の中でも医師のキャラクターは特殊な立ち位置にいますよね。

観測隊でも私は「ドクター」と呼ばれ、頼られるというか、精神的な支えになっているんだと実感しました。
そのときに改めて、医師が担う役割や責任を再確認できたように思います。
その後、帰国した2008(平成20)年から当院に赴任し今に至りますが、30年の医師人生の半分は当院で過ごしたことになります。

[後藤円事務長](以下:後藤) 私は社会福祉系の大学を卒業後、児童養護施設で3年間勤務していました。
しかし別の分野に踏み出してみたいという思いから当院の採用試験を受け、2008(平成20)年に採用されて以来、地域医療連携室で勤めてきました。
業務内容は、地域の医療機関や施設からご紹介いただいた患者さんの診察・検査の予約受付、緊急度が高い場合は当院の医師に相談したり、手術が必要であれば手術室の確保、入院が必要であれば入院の調整もしました。

逆に当院に来られたものの、他の施設での対応が必要な患者さんに関しては外部に依頼したりといったことも担当していました。

医療の内と外に視野を広げ、時代を読む

[後藤] 当院で働きだして感じたのは、地域医療連携室が病院の中でもっとも外に目を向けている部署だということです。
地域の医療機関の先生方が当院をどのように見ているのか、またご紹介いただいた患者さんをどのように診てほしいと思っているのかを、一番近くで見たり聞いたりできるのがいいところです。
そういう役割にやりがいを感じましたし、勤めるにつれ、もっと多くの外部の方と関わり、いろんな意見や思いを汲み取りたいと思うようになりました。

[小川] 視野を広げるということは、とても重要だと思います。
南極にいた頃に感じたことですが、隊員には気象、オゾン層、地質、雪氷などを調査する多種多様な専門家がいました。
彼らの仕事は、どちらかと言うと地味に見えます。
しかしその仕事がなければ、今地球で何が起こっているかをきちんとしたデータをもとに語ることはできません。
彼らのような仕事の積み重ねが未来に進むための道標となり、私たちは生きることができる。
そういった知見や哲学的な観点、視野を得たことで、医療人も医療に目を向けるだけではいけないと感じました。

院長としての守備範囲で言うと、将来を見据えた観点で当院の在り方を考えていきたいと思います。
5年後、10年後、さらにその先も、当院だけでなく医療全体が持続可能な運営のためには、たとえば職員に目を向けることも必要です。
患者さんを第一に考えることは大前提ですが、労働人口が減少していく今後においては、職員が働きやすい組織であることも大切な要素だと思います。

[後藤] 情報発信も積み重ねが重要だと思います。 職員に対する発信も大切ですね。日々の業務や会議、委員会での決定事項を皆で共有し、同じ方向性をもって病院を盛り上げていかなければならないと思います。
それと同時に、外への発信も大切です。誰にどのようなことをPR(発信)するのか、今後はさらにしっかりと考えていきたいです。

グループの力を集約し、地域を守る

[小川] 視野の話で加えると、今でこそ国の方針として地域医療構想の考え方が浸透していますが、当院は私が来た当初から「地域あっての多根」という考えで、地域に目を向けていたと思います。
医師はどうしても医局に目が行きがちで、自分たちに何ができるかという視野でものごとを進める傾向があります。
しかし当院は地域医療構想以前から地域のニーズを中心に捉え、そこから逆算する方式をとってきました。

[後藤] これまでの地域のニーズ、そして団塊の世代が後期高齢者になる2025年問題を見据えた当法人の答えが「KHSヘルスケアタウン構想」だと思います。
大阪市西区九条南、および境川エリアに多根総合病院をはじめ多根記念眼科病院、多根脳神経リハビリテーション病院、多根第二病院、多根クリニックを集約し、日常の健康管理から在宅サービスまでシームレスな医療介護を提供し、地域の皆さまの健康を支えるという計画です。

[小川] 同グループ内で急性期から慢性期まで切れ目なく診ていけるシステムと立地条件は、患者さんにとっては安心を、医療者側には効率化というメリットがあります。とは言え、この計画は多根グループだけで患者さんを抱えるのではなく、開業医の先生方との連携も必須です。
可能な限り最期まで自宅で過ごしたいという高齢者が増える今、当院では患者さんのご意志を明確にするACP(アドバンス・ケア・プランニング)を実施し、さらに患者さんに寄り添いながらケアできるよう取り組んでいますが、その一環として地域の診療所との連携も今まで以上に高める必要があるでしょう。

[後藤] これから変わっていくべき部分はありますが、一方で変えてはいけないこともあると思います。
小川院長が申し上げた通り、当院は地域や患者さんに目を向けてきた病院です。
「多根はやさしい病院」との評価もたくさんいただいておりますが、それは患者さんを第一に考えてきたことが形になり、周囲に認知していただけたということ。 そこはしっかり継承していきたいですね。

[小川] 最後に、ヘルスケアタウン構想の中には、災害拠点病院としての強化も含まれています。 当院は阪神・淡路大震災の際に力になれなかったことを教訓とし、大阪の民間病院で初の災害拠点病院に認定されました。
また新型コロナウイルス感染症は、医療現場にとって災害医療に近似した体制を強いられるできごとでした。
ヘルスケアタウン構想ではヘリポートの設置など災害時を想定したハード面の再構築と、病院機能を維持するソフト面も並行して備えていく予定です。
こうして平時のみならず災害時も地域を守る役割を果たしたいと考えています。

多根総合病院 広報誌 VOICE Vol.35

多根総合病院の取り組み


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